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担当者からのメールが夜22時に届いて、日中に送った質問の返事は翌日の夜まで来ない。建設・設備の技術者から、これを「やる気がないのでは」と相談されることが何度もありました。結論から言うと、大半はやる気の問題ではなく、時間割の問題です。この記事では、担当者の一日がどう割れているかという一点に絞って、そこから自分の連絡の出し方をどう変えるかまで書きます。
担当者の一日は、日中が企業、夜が候補者に割れています
おおまかな流れはこうです。朝は社内のミーティングで、動いている選考の状況を一件ずつ確認します。そこから夕方までは、ほぼ求人企業とのやりとりです。新しい求人のヒアリング、推薦した候補者の書類選考がどうなったかの催促、面接日程の調整、内定が出た案件の条件確認。相手が企業の人事や工事部長なので、この時間帯にしか捕まりません。
候補者との面談や電話が始まるのは、早くて17時、実際には18時、19時が中心になります。理由は単純で、読んでいるあなたが日中は現場や外回りにいるからです。18時から面談を三本、そのあとに推薦書の作成と企業への送付、明日の準備。メールの送信時刻が22時になるのは、その順番の結果です。土曜に面談枠が入るのも同じ事情です。
ここから読めることが一つあります。日中に送った質問の返事が遅いのは、担当者が企業と話している時間帯だからで、むしろ動いている証拠であることが多いということです。逆に、夜に送った依頼は、翌日の日中に企業へ投げてもらえます。
実際にやることとしては、こうなります。面接の日程候補や、企業への質問事項を送るなら、その日の夜のうちに送っておく。翌朝に送ると、担当者がメールを開くのが移動中になり、企業に投げるのが午後にずれ、企業からの返事が翌日になる。一日の遅れはこの一往復で生まれます。
夜の面談で出てくる求人は、その日の企業側の事情を映しています
もう少し踏み込んだ話をします。18時からの面談で担当者が出してくる求人は、純粋にあなたの希望から逆算されたものだけではありません。その日の日中に企業から聞いた話が、かなりの割合で混ざります。
たとえば午後に訪問した建設会社から「来月から始まる案件の担当者が一人足りない、今月中に会いたい」と言われていれば、夜の面談ではその求人が最初に出ます。逆に、あなたの希望に合っていても、先方が三次面接まで組んでいて時間のかかる求人は、後ろに回されることがあります。これは担当者が悪意で選別しているというより、頭の中で新しい情報ほど手前にあるからです。
だから、同じ希望条件を伝えても、面談した日が違えば出てくる求人の顔ぶれは変わります。これは面談を受けた人からもよく言われました。「先週勧められた会社の話が、今週は一度も出てこなかった」と。
対処はむずかしくありません。面談の最後に、こう聞いてください。
「今日出してもらった求人の中で、先方が急いでいるのはどれですか。あとから追加で出せそうな求人はありますか」
急いでいる求人がどれかを言ってくれる担当者は信用できます。そのうえで「急ぎではないが条件が合うもの」を別途出してもらえば、その日の事情に引っ張られた並びが是正されます。急ぎの求人が悪いわけではありません。むしろ選考が早く進みます。ただ、それだけを見て決めるのは別の話です。
分業か一人かで、質問の答えが返ってくる経路が変わります
もう一つ、日中の使い方に関わる構造があります。エージェント会社には、求人企業を担当する人と、候補者を担当する人が分かれている会社と、一人が両方を持つ会社があります。
分かれている場合、あなたの担当者は、その求人企業の工事部長と直接話したことがない可能性があります。求人票と社内の共有メモを見て説明しているわけです。ここで「現場の雰囲気はどうですか」「所長の年齢層は」と聞くと、又聞きの、少しぼやけた答えが返ってきます。これを不誠実だと感じる必要はありません。知らないことを知らないまま答えているだけです。
確かめ方は一つです。
「この求人、先方は誰と話して出てきたものですか。人事の方ですか、工事部の方ですか」
「企業担当に確認します」と返ってくれば分業型です。それが分かれば、質問の投げ方を変えられます。現場の中身に関わる質問は、その場で答えを求めずに、文字で渡して企業担当経由で先方に確認してもらう。口頭で聞くと伝言ゲームで細部が落ちますが、文面で渡せばそのまま転送されます。
ついでに言うと、求人票の「RC造、地上10階、共同企業体」といった前提が、こちらが思うほど通じていないことがあります。これも責めても仕方がない話で、通じないなら翻訳して渡すのが早いです。
推薦文は、あなたが書いた文章がほぼそのまま使われることがあります
ここは、現役の会社の記事には書きにくい部分だと思います。
担当者が企業に候補者を推薦するとき、推薦コメントを添えます。その中身は、面談で聞いた話と職務経歴書から作ります。ただ、一日に何人も面談して、夜遅くに何件も推薦を出す日は、職務経歴書に書かれた文言をほぼそのまま使うことが現実には起こります。私自身もそうしていましたし、周りも同じでした。悪意ではなく、時間の配分の結果です。
これが意味するのは、あなたが職務経歴書に書いていないことは、企業にほぼ伝わらないということです。逆に言えば、書いておけば伝わる確率が高い。建設・設備の技術者なら、案件ごとに最低限これを並べておくと、担当者が建設出身でなくても落ちません。
- 用途と構造と規模(例:物流倉庫、S造、延床◯㎡)
- 工期と、自分が入った工程の範囲
- 自分の立場(所長、担当、補助)と、動かした職種・協力会社の数
- 予算や工程を自分の判断で動かした場面が一つ
特に三つ目と四つ目は、面接で必ず突っ込まれる割に、経歴書には抜けがちです。
担当が途中で変わるのは起こります。引き継がれないのは「優先順位」です
この働き方は、どうしても長時間になります。日中は企業、夜は候補者、その後に事務処理。結果として人の入れ替わりが早く、若手中心の組織になりやすい。一時期そこにコミットして、そのあと別の業界へ移っていく人も多い。これは個人の資質の話ではなく、時間割の構造から来ています。
だから、選考の途中で担当が変わることは起こります。そのとき何が引き継がれて、何が引き継がれないか。
引き継がれるのは、システムに残っている情報です。希望年収、勤務地、応募中の企業と選考ステータス、面談メモ。引き継がれにくいのは、条件の優先順位です。「年収は今と同じでいいが、月に一度は土日を続けて休みたい」「転勤ありでも構わないが、単身赴任は避けたい」といった、面談で口頭で伝えた順番は、メモに残っていても重みまでは伝わりません。
新しい担当者は、残っている数字だけを見て求人を出してきます。そこで「前の担当者にはこう言ったんですが」となる。これが引き継ぎの現場で一番起きる食い違いです。
担当が替わると連絡が来たときに何を確かめればいいかは、「担当が変わります」と連絡が来たとき、実害は選考の段階で決まりますで扱っています。
そして、もう一つ不都合な話をします。成功報酬という仕組み上、担当者は月ごとの数字を持っています。手元に十数人から数十人の候補者がいて、時間は夜の数時間しかない。そうなると、決まる見込みの高い人から順に時間が寄ります。返信が二日空く人、日程を「来週あたりで」としか出せない人、一社だけ受けて様子を見たい人は、後回しになりやすい。これは担当者の人柄ではなく、時間の配分の問題です。
ついでに、内定後に返事を急かされることがあります。企業が決めた回答期限であることも多いのですが、そこに月末の締めの事情が乗ることもあります。見分け方は簡単で、こう聞いてください。
「先方からの回答期限は何日ですか。メールで来ていますか」
書面の期限があるならそれに従えばいい。「口頭で早めにと言われている」なら、そこには担当者側の事情が混じっている可能性があります。期限の延長交渉は、実際にはよく通ります。
まず今夜やること:優先順位を三行で書く
今日できることを一つだけ挙げます。
譲れない条件を、譲れない順に三行だけ書き出して、次の連絡にそのまま貼り付けて送ってください。
「① 年収は現状維持でよいが、月の残業は◯時間まで ② 転居を伴う異動は不可、日帰り圏なら可 ③ 建築より設備の案件を優先したい」——この程度で構いません。順番がついていることが大事です。
これを送っておくと、三つのことが同時に片づきます。担当者が夜に見返すときの判断材料になる。企業に転送されたときにそのまま伝わる。そして、担当が途中で変わったときに、新しい担当者へあなたの側から渡せる。
送る時刻は、その日の夜でいいです。翌日の日中に、担当者が企業と話す時間に間に合います。


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