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建設特化と総合、どちらに登録するかで迷っている方に向けて書きます。結論から言うと、この選択は「求人数が多いほう」では決まりません。決まるのは、あなたの職務経歴を要約されずに企業へ渡せるかどうかです。20年分の現場を持っている人ほど、ここで差がつきます。
求人の数が多いことと、あなたに届く求人が多いことは別です
総合エージェントの求人件数は、全職種の合計です。そこに建設・不動産のチームがあるかどうか、あってもあなたの担当がそのチームの人かどうかで、実際に見える求人は変わります。
面談でよくあるのは、登録時の職種選択が「建築・土木」ではなく「その他技術職」に吸い込まれていて、面談に出てきたのがIT系も物流系も持っている担当者だった、という場面です。悪意はありません。社内で登録者が配られる仕組みが、そうなっているだけです。
もう一つ、社内の事情があります。多くの会社で、担当者は月ごとの決定件数を持っています。手元に30人も40人も抱えている担当者は、全員に同じ時間を配れません。優先順位は率直に言えば「決まりやすい順」です。若手で、勤務地に条件がなく、提示年収の幅が広い人が先に動きます。40代後半で、通勤圏を限定していて、現年収が一定以上ある人は、後ろに回りやすい。これはあなたの価値の評価ではなく、担当者の月末の逆算です。
だからこそ、最初の面談で「この人は放っておけない」と思わせる材料を出す必要があります。その材料の渡し方が、特化型と総合では違います。
最初の15分で、担当者に現場の立ち位置を聞いてみる
面談は自己紹介から始まりますが、5分ほどで一度こちらから質問を差し込んでください。聞く内容は、その求人票を書いた人が現場を分かっているかどうかが出る一点です。
- 「この求人の会社は、元請けとして施工管理に入る立場ですか。それともサブコンとして専門工事側に入る立場ですか」
- 「JVの案件が多いと書いてありますが、幹事側で入ることが多いんですか」
- 「配属先は着工前からの担当ですか、途中入場の引き継ぎですか」
返ってくる答えは、だいたい三通りに分かれます。
一つ目は、その場で答えられる担当者。企業の採用担当と定期的に話していて、どの現場で誰が抜けたかまで把握しているタイプです。二つ目は、「すぐ確認して、今日中に折り返します」と言って、期限を切ってくる担当者。これも問題ありません。むしろ知らないことを知らないと言える人のほうが、後で食い違いを起こしません。
注意したいのが三つ目、「大丈夫です、そのあたりも含めて面接で確認できますよ」と流すタイプです。この返し方は、確認する先を持っていないときに出ます。企業側の窓口と直接つながっておらず、求人票の情報以上のものを持っていない。この状態で選考が進むと、内定の直前になって「実は最初の1年は他エリアの応援を想定していた」といった話が出てきます。
もう一つ、こちらから聞ける踏み込んだ質問があります。「過去1年で、建設の技術職で決定を出した会社を3社だけ、社名を伏せてもいいので特徴を教えてください」。答えられなければ、その担当者にとってあなたが最初の一人です。それ自体は悪いことではありませんが、選考のスピード感や年収交渉の勘所は期待できません。
特化型に同じ会社が繰り返し出てくるのには理由があります
建設特化のエージェントに登録すると、何度も同じ数十社が案内されることがあります。これは怠慢ではなく、構造です。
同じ求人が繰り返し出てくる理由を面談の側から見た話は、「他の職種も見たい」と言った面談で、なぜ同じ施工管理の求人が並ぶのかに書いています。
特化型は、継続的に採用している企業を深く回します。手数料の料率や、早期退職時の返金条項は契約ごとに違いますが、繰り返し発注してくれる企業ほど社内での扱いが良くなるのは、どの人材会社でも同じです。担当者は企業の人事だけでなく工事部長の顔まで知っていて、どの支店の誰が辞めて、どの現場が回っていないかも聞いています。
これは大きな利点です。求人票に出ていない「部長候補の枠」や、「今期は所長級を一人だけ、支店長直下で」といった話が拾えるのは特化型のほうです。40代・50代にとっては、この非公開の枠こそが本命になります。
同時に、不都合な面もあります。企業と近いということは、その企業に入れたい動機も強いということです。あなたが面接後に「現場の空気が合わない気がする」と言ったとき、特化型の担当者ほど粘ります。彼は企業の採用担当に対して「良い人を出す」という看板を背負っており、辞退は看板に傷がつく。押されている感覚があったら、それはあなたの気のせいではありません。
もう一点、社内の分業も見ておいてください。企業担当と求職者担当が分かれている会社では、あなたと話す人は企業を直接知りません。一人が両方を持つ会社では企業の内情まで分かる代わりに、自分の持ち企業へ寄せる力が働きます。どちらが良いという話ではなく、目の前の担当者がどちらなのかを知っておくと、案内された求人の偏りが読めます。
40〜50代の職務経歴書は、要約された時点で価値が落ちます
所長を10年やってきた人の経歴は、圧縮すると「施工管理20年」の一行になります。この一行は、35歳の人の「施工管理12年」と企業の目にはほとんど同じに映ります。差が出るのは中身です。
面談の前に、直近の3現場を次の6項目で書き出してください。A4一枚で足ります。
- 構造・用途・階数・延べ床
- 自分の立場(元請け所長/JV幹事側の副所長/サブコンの担当など)
- 常時動いていた協力会社の数と、直接折衝していた相手の職位
- 自分に決裁権があった範囲(実行予算の変更、追加工事の金額、人の増減)
- 育てた若手の人数と、その後どうなったか
- 竣工までに起きた一番面倒な事象と、どう収めたか
現場の段取りそのものを書く必要はありません。企業が見たいのは、どの規模の金と人を回していたかです。特に4番は、書いている人が少ない割に工事部長が食いつく項目です。転職後の裁量を決める材料になるので、面接で聞かれる前にこちらから出しておくと話が早い。
この紙をそのまま企業に渡せるのが特化型の担当者です。総合の担当者は、良かれと思って自社フォーマットに要約します。そのとき4番や6番が消えます。消したくないなら、面談の場で「この紙を、要約せずに推薦文に添付してもらえますか」と頼んでください。断られることはまずありません。頼まれないから、やらないだけです。
両方に登録するなら、先に重複を潰しておく
併用は普通のことですが、一つだけ先に手当てが要ります。同じ企業に二社から推薦が入ると、企業側は原則として先に届いたほうを有効にします。あなたの意思ではなく、着信の順で決まります。相性の悪い担当者の推薦が先に入ってしまい、良いほうの担当者が動けない、という詰まり方が実際に起きます。
防ぎ方は単純です。どちらの面談でも、応募前に「この会社に出してもいいですか」と一社ずつ確認を取り、自分の手元に応募先リストを残す。エージェントに任せず、自分で管理してください。担当者が途中で変わることもあります。日中は企業対応、夕方以降に求職者対応という働き方なので、この業界は人の入れ替わりが早い。引き継ぎの隙間であなたの応募状況が抜け落ちる可能性は、確率として見ておいたほうがいい。
それから、地場のゼネコンや設備工事会社は、そもそもエージェントを使わない会社も多くあります。通勤圏を動かせない事情があるなら、特化型の求人一覧より先に、地元の会社の採用ページを直接見たほうが早いことがあります。エージェントの求人は、手数料を払ってでも採りたい会社の求人だけです。
動かない選択も並べておきます。所長として若手の育成と協力会社の折衝まで回している人は、社内でも代えが利きません。工事部長に「支店をまたぐ異動はもう受けられない」と条件を出したうえで処遇を相談するほうが、通る可能性は現実的にあります。外の相場を知った状態で交渉するのと、知らずに交渉するのでは、話の重さが違います。
何社まで登録するか、重複が起きたときにどう戻すかはエージェントは何社使うのが正解か。「何社使っているか」を言うと何が起きるかに書いています。
今日やること
上の6項目で、直近の1現場だけA4に書き出してください。3現場は週末で構いません。1枚できたら、それを持って面談に臨み、最初の15分で「元請けかサブコンか」を聞く。答えの返り方で、その担当者に時間を使う価値があるかが分かります。登録するかどうかの判断は、そのあとで間に合います。


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