経験はあるのに求人が出てこない。無資格だとエージェント社内で何が起きているか

経験はあるのに求人が出てこない。無資格だとエージェント社内で何が起きているか エージェントの内側

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実務は十年あるのに、エージェントから送られてくる求人が妙に少ない。面談のときは調子がよかったのに、その後の連絡が細っていく。心当たりがあるなら、あなたの経歴の問題というより、エージェントの社内でどう配られたかの問題かもしれません。この記事では、無資格であることがその配られ方にどう効くか、一点だけを掘ります。

面談で「資格は?」と最初に聞かれる理由

初回面談でこういう順番に覚えがあると思います。年齢、現職の会社名、担当してきた現場の規模、そして資格。雑談の流れで聞かれているように見えますが、この四つは面談シートの上のほうに固まって並んでいます。

担当者は面談を終えたあと、社内のシステムにこの内容を登録します。そこで求職者には一定の区分が付きます。決まりやすさと、決まったときに入る手数料の見込み。この二つで区分される、という言い方が実態に近いです。手数料は理論年収に対する掛け率で計算されるので、想定される提示年収が高い人ほど見込みが大きくなります。

そして、その区分を実際に動かしているのは、主に年齢と資格です。経験年数でも、希望年収でもありません。ここが読者の感覚とずれやすいところだと思います。

本人からすれば「十年やってきた」ことが最大の売りです。ところが社内の処理では、十年という数字より、一級を持っているかどうかのほうが先に効く。理由は単純で、企業側が求人の要件に書いているのが資格だからです。「一級施工管理技士必須」と条件に入っている求人は、無資格の人には出せません。出しても通らないので、担当者の手元では最初から対象外になります。

土木の元請だとこれがさらにはっきりします。一級土木施工管理技士は本人の能力証明というより、入札の要件であり、経営事項審査の点数に直結する要素です。会社が仕事を取るための枚数として要る。だから「実力はありそうだが無資格」という人に、そこを曲げる理由が企業側にありません。担当者が粘ったところで動かない種類の条件です。

担当者にもランクがあり、上位同士が組まれる

もう一段、外からは見えにくい話をします。

エージェントの社内では、担当者の側にも成績に基づく序列があります。月ごと四半期ごとに数字が出る仕事なので、誰が決めているかは全員に見えている。そして新規で面談に入った求職者は、自動的に均等配分されるわけではありません。決まりやすく手数料の見込みが大きい層は、成績のいい担当者に回るようになっています。

つまり無資格だと、求人が細るだけでなく、力のある担当者に当たりにくくなる。片側ではなく両側から効きます。これが、実務経験があるのに手応えのない面談になりやすい理由のひとつです。

誤解されたくないので書いておきますが、これは担当者の人柄や誠実さの話ではありません。会社として、限られた人数でどこに時間を配るかを決めているだけです。成功報酬なので、決まらなければ一円も入らない。その前提で月の数字を組み立てている以上、配分に傾斜がつくのは仕組みとして自然なことです。

そして重要なのは、ランクが低い担当者が動かないわけではないということ。歴が浅くても、朝から企業に電話をかけ続けて枠をこじ開けてくる人はいます。実際、必死に動く若手のほうが、案件を大量に抱えた上位の担当者より連絡が早いこともある。ランクが決めているのは案件と人の配られ方であって、その担当者が自分のために動くかどうかは別の話です。そこの見極め方は建設特化か総合か。初回面談の最初の15分で、担当者の中身を確かめるで書いたので、ここでは触れるだけにします。

自分のランクは確認できません

ここで期待されそうなことを、先に潰しておきます。

自分がどう区分されたかを確かめる方法はありません。社内の管理情報なので開示されませんし、聞いても「そういうものはないです」と返ってきます。担当者個人が意地悪をしているのではなく、開示する立て付けになっていないからです。

だから、この記事では「自分のランクを確認しましょう」とは書けません。書けるのは入力のほうだけです。出てくる結果は見えないが、入れる材料は自分で変えられる。変えられるのは次の二つです。

  1. 資格を持っているか(または、いつ取る見込みか)
  2. 希望の伝え方

順に書きます。

入力その一 資格は「取る予定」でも扱いが変わる

当たり前の結論に見えるかもしれませんが、実務としての要点は別のところにあります。

受験予定と受験済みは、面談で必ず口に出してください。 ここを言わない人が本当に多い。

担当者の側から見ると、「今年の学科は受けていて、結果待ち」と「まだ受けていない」ではまったく別の扱いになります。企業に推薦文を書くとき、「今期受験済み、合格見込み。取得後は主任技術者として配置可能」と一行入れられるかどうかで、書類の通り方が変わるからです。企業も人員計画を立てているので、半年後に資格者が一人増えるなら、そのつもりで採ることができます。

実際、二次検定の結果が出る前に内定を出し、「合格を条件に手当を付ける」という形で決着したケースを何度も見ています。逆に、受験予定を言わないまま無資格で登録された人は、資格必須の求人から外れたまま何か月も過ぎる。本人は「求人が少ない業界なんだな」と思っている。もったいない話です。

施工管理技士の受験資格は緩和されてきていますが、要件は年度で変わるので、ここで条件を書くのはやめておきます。自分の学歴と実務年数で今年受けられるかどうかは、必ず一次情報で確認してください。

そして、すでに取れる状態なのに受けていない人は、はっきり言って一年の損をしています。無資格で置かれた位置は固定ではなく、合格通知一枚で変わる。年齢と資格のうち、年齢は動かせませんが資格は動きます。

入力その二 「経験と希望が離れすぎている」と推薦文が書けない

もうひとつが希望の伝え方です。ここは資格より誤解されている部分なので、少し具体的に書きます。

担当者が企業に人を出すとき、書くのは長文ではありません。要は「この人をなぜ御社に推すか」の一言です。

  • 戸建ての木造で十年、直近は年間十二棟の管理。御社の低層の賃貸案件なら初月から回せます
  • RC のサブコン衛生設備で八年。御社の病院案件の規模と噛み合います

こういう一行が書けるかどうかが、すべてと言っていい。

そして、応募者が後回しになるとすれば、その理由はほぼここです。これまでの経験と、行きたい先が離れすぎていると、この一行が作れない。 出せる求人が実際に少なくなる。希望が曖昧だから面倒だとか、工数がかかるからサボられる、という話ではありません。推す言葉が物理的に無いのです。

たとえば「木造の戸建て十年、次はスーパーゼネコンの大型現場で」と言われると、担当者は困ります。求人はあるが要件が合わない。かといって否定から入ると信頼を失うので、当たり障りのない案件を数本送って様子を見ることになる。その数本がピンとこないから返信が遅れ、担当者の側も優先順位を下げる。この往復で一か月が溶けます。

だから面談では、希望を一点だけに絞る必要はありませんが、自分の経験からの距離が近い順に並べて渡すといい。「本命はこれ、近いところではこれとこれも見る」という形です。近い求人が動けば担当者の数字になるので、時間が寄ってきます。そのうえで本命を混ぜてもらう。順番の問題です。

規模の合わせ方については木造ハウスメーカーの次。業態より先に「階数」を合わせないと評価が噛み合わないで書いたので、経験と希望が噛み合っているか自信がない人はそちらを見てください。

今日できること

一つだけにします。

自分の資格の受験要件を、今年の実施要領で確認してください。 学歴と実務年数を数えて、今年受けられるのか、あと何年必要なのかをはっきりさせる。受けられるなら申込期限を手帳に書く。受けられないなら、いつから受けられるかを書き出す。

そのうえで次の面談では、資格欄を「なし」で終わらせず、「今年の一次を受験予定」「来年から受験要件を満たす」と口に出して伝える。これだけで、送られてくる求人票の中身が変わることがあります。

見えない場所で何が起きているかを気にしても仕方がありません。動かせるのは入力のほうです。

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