施工管理の正社員型派遣から正社員へ。面接で崩れるのは職務経歴書の現場名です

正社員型派遣から正社員へ。面接で崩れるのは職務経歴書の現場名です 選考と面接

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正社員型派遣(常用型派遣)で施工管理を数年やってきた人が、正社員求人を受けたときに一番多く止まるのは、書類ではなく二次面接です。書類はむしろよく通ります。職務経歴書に有名な現場名が並ぶからです。そして面接で、年数では答えられない質問が一つ来て、そこで終わる。この記事は、その一問と、その手前でやっておけることに絞って書きます。

書類は通る。通したのは経験ではなく現場名です

派遣で現場に入っている人の職務経歴書は、書き方によって見え方がまるで変わります。所属は派遣元の会社なのに、経歴欄には常駐先の現場が並ぶ。たとえば「◯◯駅前再開発 事務所棟 新築工事(RC造・地上12階)」「◯◯物流センター 増築工事」と書けば、書類選考をする人事の目には、大型物件を渡り歩いてきた人に見えます。

ここで一つ、言いにくいことを書きます。エージェントの担当者が、この書き方を勧めてくることがあります。悪意ではありません。担当者の社内の数字は、決定だけでなく「書類通過数」「面接設定数」で見られていることが多いからです。書類が通れば担当者の当月の数字は前に進む。面接で落ちたときに傷むのは応募者の時間であって、担当者の週次の報告ではない。この非対称が、書き方の助言を少し前のめりにさせます。

通過率が上がること自体は応募者にも得です。問題は、その書き方で通った面接に、中身の準備をしないまま行くことです。人事は年数と物件規模で足切りをしますが、二次面接に出てくる工事部長や所長経験者は、物件名を一瞥して終わりです。彼らが見るのは、その現場であなたが何番目に立っていたかです。

「所長がいない日、あなたは何を決めましたか」

これが、派遣出身者の面接で実際によく出る質問です。言い回しは会社によって違います。「一人で現場を任されたことはありますか」「是正の指示は誰が出していましたか」「協力会社と揉めたとき、あなたはどう収めましたか」。どれも聞いているのは同じで、あなたが判断していたのか、判断された結果を運んでいたのかです。

未経験で受ける人にも同じ形の質問が出ます。その採点のされ方は未経験の施工管理、二次面接で工事部長が見ている一点に書いています。

面談で聞いた話として、こういう返答が落ちます。

「所長の指示で、写真管理と施工計画書の作成を担当していました。朝礼にも毎日出ていました」

嘘ではないし、真面目にやってきたことも伝わります。ただ、この答えを聞いた工事部長の頭の中では、経験年数は年数のまま止まります。求人票に「施工管理経験3年以上」と書いてある場合、人事はその年数で足切りしますが、工事部長が同じ文字から読み取っているのは「一人で朝礼から是正の指示出しまで回した期間が3年」です。同じ一行を、社内の二人が別の意味で読んでいます。

通る答えは、判断の主語が自分になっています。

「所長が本社に行った日に、鉄筋の納まりで先行して決めないと翌日の型枠が止まる場面がありました。設計の意図が読み切れなかったので、その場で設計事務所に電話して確認を取り、協力会社の職長に指示を出しました。戻ってきた所長には事後報告で、結果として工程は落ちませんでした」

規模は小さくてかまいません。判断した日付、相手、止まりそうだったもの、この三つが入っていれば、面接官は「一人分として数えられるか」を判断できます。

手に職がつかない現場に当たった場合、正直に言って不利です

ここは読者に不利な事実なので、ぼかさずに書きます。正社員型派遣は、配属される現場を自分では選べません。腰を据えて任せてもらえる現場に当たれば、正社員の同年代より早く経験が積めることもあります。一方で、書類と写真と片付けだけで年数が過ぎる現場も実際にあります。派遣先からすれば、派遣で来ている人に責任のある判断をさせにくい事情もあるので、これは本人の努力の問題とは限りません。

ただ、正社員の選考ではその事情は考慮されません。上の質問に答えられなければ、5年いても「補助として5年」と評価されます。そして30代以降は即戦力として見られるため、年数と中身のずれがそのまま提示条件に出ます。

もしいま、書き出せる判断が一つもないなら、転職活動より先にやることがあります。次の現場、あるいは今の現場で、小さくていいので自分が決める場面を一つ取りに行くことです。職長への指示出しを所長に一度任せてもらう、是正の一次判断を自分で出して後から確認してもらう。面談で後日談を聞いていると、これを半年やった人と、やらずに応募を続けた人とでは、二次面接の通り方が明確に変わります。遠回りに見えますが、書けるものがない状態で応募を重ねるほうが時間を失います。

入社日が言えない人は、担当者の中で静かに後回しになります

もう一つ、エージェント側の内側の話です。紹介の報酬は成功報酬で、入社が成立して初めて発生します。担当者は月ごとの数字を持っています。だから、担当者の頭の中では応募者が「今月の数字になる人」「来期の人」に分かれます。

派遣で就業中の人は、ここで不利になりがちです。求人企業から最初に聞かれるのは、たいてい「いつから来られますか」です。企業側は「4月の現場立ち上げに入れたい」といった具体的な穴を埋めようとしているからです。ここで「現場の区切り次第なので、まだ分かりません」と返ってくる候補者は、担当者にとって企業に説明しづらい。説明しづらい候補者は、求人の紹介が止まったわけでもないのに、連絡の頻度がゆっくりになります。悪意でそうしているというより、限られた時間をどこに割くかの計算です。

対策は単純で、こちらから幅を切って先に言うことです。

  1. 派遣元の就業規則で、退職の申し出は何か月前かを確認する
  2. 今の現場の竣工予定と、自分が抜けても回る時期を見当づける
  3. 面談の初回に「最短で◯月1日、現場の区切りを優先するなら◯月1日。どちらでも動けます」と二択で伝える

この一言があるだけで、担当者は企業に「◯月入社見込み」で通せるようになります。なお、まったく別の会社の正社員求人に応募すること自体は自由ですが、常駐先そのものに直接雇用してもらう話は、派遣元と派遣先の契約の取り決めが絡みます。狙うつもりがあるなら、自分の契約書を先に読んでおいてください。

額面は下がることがあります。比べるのは45歳のときの席です

派遣の給与は、派遣元が派遣先から受け取る単価から逆算されます。正社員の給与は、その会社の等級表に当てはめて決まります。仕組みが違うので、技量に対して派遣のほうが月額が厚く出ることは珍しくありません。正社員化で水準を維持できれば御の字、多少下がることもある、というのが実際に見てきた感触です。額面だけ並べると、正社員になるほうが損に見える場面があります。

それでも移る人が見ているのは、40代後半以降の話です。派遣は現場が終われば次の現場を待つことになり、年齢が上がるほど受け入れ先の現場が絞られていきます。正社員なら、現場を離れたあとに積算や安全管理、営業技術といった席が社内にあるかもしれない。ここは会社によって本当に差があるので、面接で確かめる価値があります。聞き方は「キャリアパスを教えてください」ではなく、「現場を離れた50代の方は、いま社内でどういう仕事をされていますか」です。答えが具体的な部署名と人数で返ってくる会社と、「本人の希望次第ですね」で終わる会社があります。後者が悪いわけではありませんが、席がまだ用意されていないという意味です。

ちなみに、入口が派遣だったことがその後を決めてしまうわけではありません。40代後半で正社員に移った人も見てきました。そのとき評価されたのは、派手な実績ではなく「協力会社と揉めずに書類を期日までに回し続けた」ことでした。何が評価されるかは、思っているより幅があります。

今日やること

直近2現場で、自分が決めたことを3つ、日付・相手・止まりそうだったものをセットで書き出してください。スマホのメモで十分です。3つ埋まるなら、応募の準備を始めていい状態です。1つも埋まらないなら、書き出す材料を取りに行くところからで、応募はそのあとでも遅くありません。

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