施工管理の一日は、17時からが後半戦です。日報と写真が残る理由

施工管理の一日は、17時からが後半戦です。日報と写真が残る理由 働き方と資格

本記事にはプロモーションを含みます

施工管理の一日を調べると、だいたい「朝礼→巡回→打合せ→日報」という流れが出てきます。それ自体は間違っていないのですが、異業種から来る人がいちばん知りたいのは、たぶんその表に載っていない部分です。この記事では、一日のうち「現場の作業が終わってから」の数時間だけに絞って書きます。面談で応募者や入社後の方から聞いてきた話の範囲で、そこに何が積み上がるのかを説明します。

なお私は現場で施工をした人間ではありません。採用する側と、応募する側の両方から話を聞いてきた立場です。手順そのものの解説ではなく、時間の使われ方の話だと思って読んでください。

日中は「自分の作業」をする時間がない

まず前提として、施工管理という仕事は、工事の進み具合・安全・品質・お金を見る役です。実際に手を動かして作るのは協力会社(実際に施工を担当する専門工事の会社)の職人さんで、施工管理の人は基本的に自分では作業しません。

面談で聞く典型的な一日は、こんな流れになります。

  • 7時前後に現場入りして、その日の段取りを確認する
  • 8時ごろ全員で朝礼、その日の作業内容と危険な箇所を共有する
  • 午前中は現場を歩いて進み具合を見る、検査に立ち会う、写真を撮る
  • 昼をはさんで、翌日以降の打合せ、材料の手配、元請や設計担当との連絡
  • 夕方、その日の作業が終わる

ここまでで気づいてほしいのは、机に向かって集中する時間がどこにもないことです。面談でよく聞いたのは「日中は10分に1回は誰かに呼ばれる」という言い方でした。図面の解釈を聞かれる、材料が足りないと言われる、予定していた作業が前工程の遅れでできないと報告が来る。そのたびに判断して、関係する会社に連絡し直す。

業界の外から持たれやすい思い込みのひとつに、「施工管理も体を使う仕事だから、現場作業と同じようにきつい」というものがあります。歩く距離は確かに長いのですが、話を聞く限り、消耗するのはそこではないようです。中断され続けながら、その都度いくつもの会社にまたがる判断をすること。これが日中の実態に近いと感じています。

そして判断の記録は、その場では残せません。だから書類が後ろに送られます。

現場作業の終わりと、施工管理の一日の終わりは別の時刻です

作業が終わって職人さんが帰ったあと、現場事務所(多くは現場の敷地内に建つ仮設のプレハブ)に施工管理の人が残ります。ここからが後半戦です。何が積み上がっているか、聞いた範囲で並べます。

  1. 工事写真の整理。工事は完成すると中が見えなくなる部分が多いので、途中の状態を記録として撮ります。撮るのは日中ですが、どの場所のどの工程かを整理して台帳にまとめるのは後回しになります。枚数が多い日は、これだけで時間が溶けるそうです。
  2. 日報と各種報告。その日何が進んで、何が止まったか。止まった理由は誰の側にあるか。これは後から工期や費用の話になったときの根拠になるので、雑に書けません。
  3. 翌日の段取り。明日どの会社が何人来て、どこで何をするか。今日の遅れを受けて組み直す必要があれば、この時間に関係先へ電話します。相手も日中は現場にいるので、連絡がつくのが夕方以降になりやすい。
  4. 材料や機材の手配、見積の確認、請求まわりの処理。

つまり、現場の作業が17時に終わっても、施工管理の人の仕事はそこから始まる部分がある。ここが求人票の一日の流れからは読み取りにくいところです。

もうひとつ、朝も同じ構造があります。朝礼が8時でも、その前に当日の確認をする時間が要るので、現場に入る時刻はもっと早い。一日の長さは、現場の作業時間ではなく、その前後にくっついた時間で決まります。

ただし、これが毎日同じ濃さで続くわけではありません。工事には山と谷があって、工程が詰まっている時期と、比較的落ち着く時期がある。面談で「忙しさの波が大きい」と言う人が多いのは、この意味です。平均で語ると実態から離れます。

求人票の「みなし残業」は、だいたいこの時間帯を指しています

ここを知ってほしくて書いています。求人票に固定残業代(みなし残業。あらかじめ一定時間分の残業代を給与に含めておく仕組み)の記載があったら、その時間数は、いま説明した夕方以降の時間を会社があらかじめ見込んだ数字だと考えてください。

仮に「固定残業代◯時間分を含む」と書いてあったとして、その時間を月の稼働日数で割ってみると、一日あたり何時間が織り込まれているかが出ます。所定の終業時刻にその時間を足すと、会社が想定している「実際に帰る時刻」の目安になります。求人票の一日のスケジュール欄より、この計算のほうが実態に近いことが多いです。

みなし残業を含めた求人票の年収の読み方は、求人票の年収の読み方 幅・みなし残業・賞与のどこまでが確定分かに書いています。

あわせて注意してほしいのが「直行直帰可」という書き方です。これは求人票では働きやすさの文脈で載りますが、実際に指しているのは「現場に直接行って、現場から直接帰ってよい」であって、書類仕事がなくなるという意味ではありません。むしろ現場事務所が狭い、あるいは複数の現場を掛け持ちしている人の場合、書類を支店や自宅に持ち帰る形になることがあります。移動がなくなった分だけ、作業する場所が変わっただけ、という状態です。

面接で確かめるなら、「残業はどのくらいですか」と聞いても意味のある答えは返ってきません。返ってくるのは会社の平均値で、それはあなたが配属される現場の数字ではないからです。聞くなら場所を特定します。

「日報と写真の整理は、現場事務所でやるのが基本ですか。それとも支店に戻ってからですか」

この聞き方だと、答えが具体的にならざるをえません。「現場事務所で終わらせる」と即答する会社は、その時間を業務時間として認識しています。「人によりますね」「まあ、うまくやってますよ」と抽象化された答えが返ってきたら、それは持ち帰りが常態化しているか、会社として把握していないかのどちらかです。どちらなのかは、続けて「持ち帰った分は勤怠にどう入れていますか」と聞けば分かります。この質問を嫌がる会社は、答えそのものが答えになっています。

エージェントは、その一日をどこまで知っているか

ここは、現役の紹介会社が自社の記事には書きにくいところだと思うので、仕組みとして書きます。

まず、担当者から聞く一日の流れは、企業の採用担当から聞いた話の再生であることがあります。現場事務所の様子を見たことがない人が、見てきたような口調で話すことは起こりえます。悪意ではなく、単に情報の出どころがそこしかないからです。

それを確かめる質問がひとつあります。

「この会社に過去に紹介した方は、入社後にどんなことを言っていましたか」

実際に入社者を出していれば、入社後のフォローで何かしら聞いているので、具体的な話が出てきます。「一年目は写真整理で残る人が多いみたいです」でも「最初の配属が遠方でした」でも構いません。出てこなければ、その求人はまだ実績のない案件か、担当者が引き継いだばかりの案件です。それが悪いわけではありませんが、説明の確度は下がります。

もうひとつ。紹介の報酬は成功報酬で、あなたが入社してはじめて企業から会社に支払われます。だから担当者が、働き方のきつい部分を自分から進んで詳しく語る動機は強くありません。一方で、多くの契約には早期に辞めた場合の返金の取り決めがあるので、まったく隠すことが得になるわけでもない。つまり「聞かれたら答えるが、聞かれなければ触れない」という位置に落ち着きやすい。この非対称が、こちらから場所を特定して聞くべき理由です。

そして、あなたにとって不利な事実も書いておきます。実態を細かく確認したがる応募者は、担当者にとって手間がかかります。企業に問い合わせて、回答を待って、また伝える。担当者は月ごとの数字を持っていて、動かせる案件の数には限りがあるので、手間が同じなら決まりやすい人から先に動かします。確認が多い人が後回しになる場面は、実際にあります。

だから確認するな、ではありません。聞くことをまとめて、一度に渡すのが実務的です。面談のたびに小出しにせず、「この会社について確認したいことが3点あります」と箇条書きで送る。担当者は企業への一通のメールで処理できるので、手間が減り、回答も早くなります。

まず今日やること

気になっている求人票を1枚開いて、次の3つだけをメモしてください。

  • 所定の始業・終業時刻
  • 固定残業代として含まれている時間数
  • 「直行直帰」「フレックス」など、働き方についての一文

そのうえで、固定残業の時間数を月の稼働日数(20日前後)で割ります。出てきた数字を終業時刻に足してみてください。それが、その会社が想定している一日の終わりです。朝礼前の時間は、たいていそこに含まれていません。

その数字を見て、自分が続けられそうかを考える。続けられそうなら、次の面談で「日報と写真の整理はどこでやりますか」と聞く。入るかどうかを決めるのは、その答えを聞いてからで間に合います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました